熱中症は、日差しのある屋外でかかるものと思っていませんか?
室内でも、熱中症にかかるリスクはあるんです。
2008年の国立環境研究所のデータによると、65歳以上の熱中症患者のうち、44%が自宅で熱中症にかかっています。
なぜ、直射日光の当たらない室内で熱中症になるのでしょう?
それは、熱中症の危険度に用いられているWBGT(暑さ指数)を見ればわかります。
WBGTは、人体の熱収支に関わる気温、湿度、輻射熱(日差しの強さなど)の3つの要素を取り入れた指数です。
つまり、人間が暑さを感じたり、体温の上昇させる要因は、気温と湿度、日差しの強さの3つが関係していますので、日差しがない室内でも、気温と湿度が高ければ、熱中症になるリスクは十分にあるというわけなんです。
ということは、室内での熱中症を予防するには、温度と湿度がポイントということですよね。
では、室内での熱中症を予防するための温度と湿度の目安は、どのくらいでしょう?
温度は28度以下、湿度は50〜60%を目標としましょう。
ただ、環境省の熱中症環境保健マニュアルには、夜間は25度以上の熱帯夜でも熱中症になるリスクは高いと記されていますので、夜間は特に注意が必要です。
上記の温度28度以下、湿度50〜60%は、あくまでもひとつの目安ですので、しっかり熱中症予防対策を行うためには、WBGTを計測できる熱中症指数計を使って、室内の温度と湿度を管理するのが良いでしょう。
室内の温度と湿度を下げるには、やはり冷房を使うことが最も効果的です。
節電対策のため、あまり冷房を使いたくないという人もいるかもしれませんが、節電ばかりに気を取られて、熱中症になってしまっては元も子もありませんよね。
冷房を適度に使うことによって、室内の温度と湿度を下げるようにしましょう。
また、室内の湿度を下げるためには、扇風機を使ったり、部屋の窓を開けて風通しを良くすることも効果的です。
室内での熱中症を防ぐためには、温度と湿度を管理することが最も重要ですが、通気性の良い服を着る、室内でもこまめに水分補給をする、ゴーヤなどを使った緑のカーテンやすだれを用いる等も熱中症対策には有効ですので、温度と湿度を管理しながら、これらのことを行うさらに予防効果は高まりますよ。
→ 子供の熱中症には注意
→ 熱中症に高齢者が多い理由
→ ペット(犬・猫)の熱中症
熱中症はとても危険な病気です。毎年何人もの死者が出るほどです。たかが熱中症だとあなどっては決していけません。大切な人の命を守る、自分自身を守る為にも熱中症に関する正しい知識を持ち、しっかりと予防・対策を行いましょう。 |