2012年の7〜9月の3ヶ月間に、熱中症で救急搬送された人は、
全国で43864人にも上ります。
これは救急搬送された人の数なので、
実際の熱中症患者数は、さらに多いと考えられます。
また熱中症は、
夏の屋外での運動や労働時にだけ起こるものではありません。
住宅など屋内にいても、熱中症になるリスクはありますので、
熱中症は他人事ではなく、誰でも熱中症になる可能性がある
身近な病気と言えるでしょう。
熱中症を予防するには、水分補給が欠かせません。
熱中症予防に有効な飲み物といえば、スポーツドリンクですよね。
なぜ、水やお茶ではなく、スポーツドリンクが有効なのでしょう?
人間の体液に含まれているものは、水分だけではありません。
ナトリウム(塩分)やカリウム、カルシウムなどのイオンも含まれています。
そして、熱中症になりやすい高温環境下では、汗をかきますよね。
汗には、水分とナトリウムが含まれています。
つまり、汗をかくと体内から水分とナトリウムが失われていくのです。
スポーツドリンクには、水分とナトリウムが含まれていますので、
運動時や高温環境下など大量に汗をかく時には、非常に有効な飲み物と言えます。
熱中症に有効なスポーツドリンクですが、市販のものをそのまま飲むより、
さらに効果を高める方法があります。
それは、市販のものを2倍〜3倍に薄めて飲む方法です。
市販のスポーツドリンクのほとんどが、
体液と同じ浸透圧の濃度(アイソトニック)で作られています。
体液と同じ浸透圧だったら、体に負担をかけずに吸収されやすいと
思うかもしれませんが、実は体液より低い浸透圧の濃度(ハイポトニック)
のほうが吸収されやすいのです。
市販のスポーツドリンクは、アイソトニックのものが多いですが、
上記のように自分で2〜3倍に薄めれば、ハイポトニックになります。
熱中症予防のためには、
水分とナトリウムを早く体内に吸収させる必要がありますので、
一手間かけて市販のスポーツドリンクを薄めて飲むようにしましょう。
このハイポトニックの飲み物は、自分で作ることも可能です。
水1リットルに塩小さじ1、砂糖大さじ4を混ぜるだけです。
目安としては、水に対し塩は0.1〜0.2%、砂糖は2.5〜3%です。
また、最近ではドラッグストアなどで
ハイポトニック飲料を売っていますので、それを利用しても良いでしょう。
→ 熱中症には塩分補給
→ 熱中症予防には、牛乳を飲もう!
→ 熱中症予防のための水分補給
熱中症はとても危険な病気です。毎年何人もの死者が出るほどです。たかが熱中症だとあなどっては決していけません。大切な人の命を守る、自分自身を守る為にも熱中症に関する正しい知識を持ち、しっかりと予防・対策を行いましょう。 |