熱中症は真夏の太陽がさんさんと照りつける屋外でなりやすいと思いがちですが、
意外にも2012年に熱中症で亡くなった人の40%は、
夕方5時から早朝6時にかけての時間帯に集中していたそうです。
驚くべき確率ですが、睡眠中の熱中症は死亡率が高いということになりますね。
2000年に入ってからの統計では、
それ以前に比べて熱帯夜となる日数がおよそ3倍に増えているということですので、
睡眠中も熱中症対策をしっかりと取っておく事がとても重要になります。
では、睡眠中の熱中症対策はどのようにして立てればよいのかについて
説明していきましょう。
まず、天気予報をチェックして、熱帯夜になりそうな日は
睡眠中もエアコンを適温(28℃以下)で使用するようにしましょう。
この時、タイマーは設定しないで朝までエアコンを運転させておくことが肝心です。
また寝具は通気性の良い薄手のタオルケットなどにして、
寝具内に熱がこもらない工夫をするようにしてください。
更に就寝前には水を飲み、睡眠中の汗の放出に備えるようにしましょう。
大人の場合、睡眠中には真冬でもコップ2杯ほどの汗をかくといわれていますので、
熱帯夜の場合は500mlのペットボトル一本分が目安となります。
お風呂では入浴をやめてシャワーにすると体内までは暖まりにくくなりますので、
夏場はシャワーで済ませるというのも効果的な夜間の熱中症対策となります。
どうしても寝ている間のエアコンが苦手だという人は扇風機を複数台利用して、
一台は床に向けて送風するという手段も有効です。
暖かい空気は上に溜まっているので、床にある冷たい空気を
扇風機で拡散させて部屋の温度を出来るだけ均一にするのが目的です。
また、ガラス窓の周囲は熱が溜まりになりやすいので、
その辺りの空気を散らすというのも効果的です。
もし、普段寝る位置が窓際の場合には、
窓から離れて部屋の中央付近で寝る方が熱中症にはなりにくいということになりますね。
氷のうを使う場合はタオルなどで頑丈に覆うようにしましょう。
氷のうで皮膚表面を急冷させると、体内では熱の拡散を防ごうという働きに
スイッチしてしまうため、寝ている間に氷のうの効果がなくなってしまうと、
今度は体温が上昇を続ける可能性が高くなります。
そのためタオルで頑丈に覆って緩やかに体温を低下させるようにする
工夫が必要となるのです。
最近では熱中症対策グッズとして冷感マットレスや熱を拡散させる寝具などが
売られていますので、こうしたものを利用するというのも効果的だと思います。
→ 熱中症と体温調節の仕組み
→ 室内熱中症対策には温度と湿度がポイント
→ 室内でも熱中症になりますか?
熱中症はとても危険な病気です。毎年何人もの死者が出るほどです。たかが熱中症だとあなどっては決していけません。大切な人の命を守る、自分自身を守る為にも熱中症に関する正しい知識を持ち、しっかりと予防・対策を行いましょう。 |