痛風は、男性特有の病気と思っていませんか?
確かに、痛風患者は圧倒的に男性が多く、
98%以上が男性というデータもありますが、
だからと言って「女性は痛風にならない」、
「女性だから痛風とは無縁」というわけではありません。
女性も痛風になるので、注意しなければいけません。
欧米では痛風の男女比は3.5対1と日本に比べて男女差が少ない
というデータがあり、最近は日本でも女性の痛風患者が増えてきているんです。
ただ、男性に比べると女性は痛風になりにくいのは事実です。
その理由として、まず女性ホルモンが痛風予防に
大きな役割を果たしていることが挙げられます。
痛風は、体内に尿酸が蓄積することが原因ですが、
女性ホルモンのエストロゲンは、尿酸を尿中に排泄する手助けをしてくれるため、
女性は体内に尿酸が蓄積しにくいのです。
実際に、男女で尿酸の平均値を比べてみると、
女性のほうが1.5mg/dl低いというデータがあります。
ただ、更年期以降はエストロゲンの分泌が減少するため、
女性でも尿酸が蓄積しやすくなります。
女性が痛風になりにくい理由として、体内で尿酸を作り出す原因となる
アルコールの摂取量やあん肝やエビ、カニ、牛肉など
いわゆる「宴会食」を食べる機会が男性よりも少ないこともあります。
しかし近年は、女性の社会進出が進んだことや食生活の欧米化などにより、
いくらエストロゲンが働いて尿酸を体外に排出しやすいメカニズムがあっても、
排泄が追いつかずに体内に尿酸が溜まってしまい、痛風を発症する女性が増加しています。
「女性は痛風にならない」と安心するのではなく、
「女性でも痛風になる可能性がある」と認識して、
アルコール類やプリン体を多く含む食品は控えめに、野菜や果物類を積極的に食べ、
運動をして肥満を予防するなどの痛風対策を行うようにしましょう。
特に、更年期以降でアルコール類が好きな女性は、
男性と同じくらい尿酸が溜まりやすいため、日常生活の中で注意していきましょう。
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