痛風はぜいたく病と言われていますし、不摂生な生活をし、
暴飲暴食を続けている人が痛風になるというイメージがありませんか?
「日頃あまり運動する習慣がなく、ビールが大好き、白子やあん肝などの珍味、
エビやカニなどを好んで食べている人が痛風になる」、これは間違っていません。
運動習慣がなく肥満体型の人は、脂肪が尿酸の産生を促進したり、
排出を抑制したりしますので、痛風になりやすいですし、
プリン体を多く含む食品をたくさん摂取すれば、
それだけ体内の尿酸値が上がりますので、痛風の発症に直結します。
でも、このような不摂生な生活とは真逆の生活を送っているスポーツ選手にも、
実は痛風に悩んでいる人が多いんです。
スポーツ選手は、日頃の運動習慣はもちろんありますし、
肥満とも縁遠い体型です。
食生活も一般人より気をつけているでしょうから、
いわゆる「健康的な生活」を送っています。
それなのに、痛風に悩んでいるスポーツ選手が多いというのは、
意外な気がしませんか?
でも、尿酸産生のメカニズムがわかれば、スポーツ選手に
痛風が多いことにも納得できると思います。
プリン体を摂取すると、体内で尿酸へ代謝され、
尿酸がどんどん蓄積されていきます。
しかし、このプリン体は、食品から摂取するだけではなく、
体内に存在するATPというエネルギー源の物質内にも存在しています。
激しい運動をすると、このATPが分解されて、
プリン体が尿酸へと変化するのです。
このATPの分解は、有酸素運動ではなく激しい無酸素運動で急激に分解されます。
また、無酸素運動の場合、疲労物質である乳酸が蓄積しますが、
乳酸は尿酸の排出を抑制させる作用があるため、
スポーツ選手は体内に尿酸が溜まりやすく、痛風になってしまうのです。
また、スポーツをしていると汗をかきますよね。
汗をかくと、一時的に体内の水分量が減ります。
そうすると、尿酸の濃度が一時的に上昇し、結晶化しやすくなるのです。
痛風は、ぜいたく病とも言われていますが、この尿酸産生のメカニズムを見ると、
痛風はスポーツ選手の職業病とも言えるかもしれませんね。
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