タバコと痛風、一見何の関連もなさそうな組み合わせですが、
実は間接的にタバコが痛風に影響を与えている可能性があると考えられています。
では、一体どんな因果関係があるのかを説明していきましょう。
そもそも痛風とは血液中の尿酸値が高い高尿酸血症の人が起こす発作の事です。
尿酸は結晶化して骨や関節にこびりつき、
そこから炎症を起こして激しい痛みを生じます。
これが痛風の正体です。
血液の流れが悪くなると結晶化した尿酸を上手に排泄する事が出来なくなるため、
血液中の尿酸結晶の濃度が上がり、痛風発作を起こしやすくなります。
タバコは直接尿酸結晶を作り出す事とは無縁とされていますが、
血管の機能を低下させてしまい、相対的に痛風発作のリスクが高まるというわけです。
では、どうしてタバコは血管の機能を低下させてしまうのでしょう?
その一番の原因は喫煙による肺へのダメージです。
タバコが肺に悪いというのは今更言うまでもないことですね。
心臓は肺から新鮮な空気を受け取り、不要となった二酸化炭素を排出します。
これをガス交換と呼んでいますが、喫煙によって肺がダメージを受けると
ガス交換機能が低下してしまい、代謝に必要な新鮮な空気を
取り込めなくなってしまうため心臓の機能も低下していくことになります。
また、タバコに含まれるタールやニコチンはガス交換の際、血液中に取り込まれ、
血管壁に血栓となってこびりつく事で血管の機能を低下させるリスクもあります。
こうしたタバコの害は肺の疾患以外にも高血圧症や動脈硬化症を招く事にもなり、
これが、痛風発作を引き起こすリスクを上げてしまう結果になるのです。
同様の理由で喫煙は脳梗塞や心筋梗塞などの疾患を引き起こす
原因となりかねないので、何らかの生活習慣病を指摘されている喫煙者は、
禁煙外来を利用するなどして適切に禁煙を実践する必要性があります。
ただし、一方で喫煙者には痛風患者が少ないというデータも残されています。
この因果関係についてはまだ解明されていない事だらけなのですが、
この研究の被験者となった喫煙者には食事内容が悪く、
痩せている人が多かった事が関連しているのではないかと考えられています。
だとすれば、食事内容の悪さによって栄養が不足していたため
痛風リスクを下げていただけのことであり、
喫煙が健康的に痛風を予防する手段であるとは言いがたいですね。
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