贅沢病と言われる痛風ですが、食生活が豊かになったことを背景にして、
ここ数十年で痛風患者の数は、急増しています。
2010年のデータでは、痛風患者は約96万人、痛風予備軍ともいえる
高尿酸血症を指摘されている人は、なんと1000万人以上にものぼるんです。
日本人の10人に1人が高尿酸血症を抱えていることになります。
痛風は、体内の尿酸の産生と排出のバランスが何らかの原因で崩れてしまい、
身体の中に尿酸か溜まり、その尿酸が結晶化して関節やその周辺に沈着する
ことにより、関節が炎症を起こし、痛みを発生させる病気です。
痛風発作の痛みは、「風が吹くだけでも痛い」と言われているほどの激痛で、
これが痛風の名前の由来にもなっています。
痛みは、数日から1週間程度で自然に消えますが、そのまま放っておくと、
体内の尿酸値が下がっているわけではありませんので、
またある日突然の痛みに苦しむことになり、
その間隔もどんどん狭くなっていきます。
また、腎障害や尿路結石などの合併症も起こしやすくなるんです。
では、痛風は治るのでしょうか?
正直なところ、痛風は一度かかってしまうと、完治しにくい病気です。
もちろん薬を服用したり、食事療法をすることによって、尿酸値を下げ、
痛風発作が起こらないようにすることは十分に可能ですし、
尿酸値が安定してくれば、薬の服用を止めることもできるでしょう。
でも、その一度下がった尿酸値をずっと維持していかなければなりませんので、
痛風になる前の食生活や生活習慣に戻すことはできないのです。
痛風発作の激痛に耐え、痛風の治療を開始し、薬を指示通りに飲んで、
食生活も改善し、尿酸値が基準値内に戻ったとしても、ここで安心してはいけません。
この尿酸値を保っていかなければいけないので、
ビールなどアルコール類や高カロリーの食材、プリン体の多い食材は控えめに、
野菜や海藻類などプリン体が少なく、尿をアルカリ化してくれる食材を積極的に取る、
水を1日2リットル以上飲むなどの対策は続けていき、
尿酸値のチェックのためにも定期的な受診をするようにしましょう。
痛風は上記でも述べたように、完治しにくい病気です。
一生気長に付き合っていく必要があります。
そのため、「ビールは一切ダメ!プリン体の多いレバーやエビは一切食べない!」
と厳格にしてしまうと、そのストレスから痛風を再発症しかねません。
医師と相談しながら、自分に無理のない範囲で治療を進めていくようにしましょう。
→ 痛風の治療方法
→ 痛風の治療に用いる薬
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