痛風は贅沢病と言われていて、
食生活が痛風に罹患するかどうかに大きく影響してきます。
近年日本では、食生活が欧米化し、また豊かになっているため、
痛風患者・高尿酸血症患者が急激に増加しています。
2010年のデータでは、痛風患者は日本国内で約96万人いて、
これは25年前の4倍にのぼります。
高尿酸血症患者は、推定約1000万人以上。
最近では30代の高尿酸血症患者が急増しています。
この痛風患者・高尿酸血症患者の増加は、日本国内だけではありません。
世界規模で増加傾向にあるんです。
このような傾向を受けて、製薬会社は痛風治療の新薬開発に力を入れています。
痛風の治療薬には、主に痛風発作時に使用するものと
高尿酸血症の治療に使うものの2つに分けることができます。
具体的に、それぞれの治療薬の特徴などを見てみましょう。
まずは痛風発作時に使用する薬についてです。
痛風発作時に使う薬は、主にインドメタシンなどの非ステロイド抗炎症薬です。
この非ステロイド抗炎症薬は、一般的に解熱鎮痛剤として用いられていて、
関節の炎症を抑えると同時に痛みを緩和させます。
非ステロイド抗炎症薬で効果が得られなかったり、
腎障害がある場合は、ステロイドを投与します。
発作予防薬として、コルヒチンという薬剤がありますが、
痛風発作の予兆がある段階で服用すると効果がありますが、
本格的な発作が起こってしまった場合は、あまり効果がありません。
また、痛風発作の痛みを緩和させるために、
バファリンなどアスピリン系市販薬を服用する人がいますが、
これは絶対にいけません。
アスピリンを服用すると、尿酸値が上がってしまい、
発作が長引いたり悪化したりするんです。
次に、高尿酸血症の治療に使うもの、つまり尿酸値を下げる薬剤についてです。
尿酸値を下げる薬剤には、尿酸の産生を抑えるもの(アロプリノール等)と
尿酸の排泄を促すもの(プロベネシド等)の2種類があります。
尿酸を下げる治療は、6ヶ月程度かけてゆっくり徐々に下げていく必要があります。
急激に下げてしまうと、逆に痛風発作を引き起こすことがあるためです。
そのため尿酸値を下げる薬剤を服用する場合は、
医師に指示された用法、用量をしっかり守って、気長に治療していきましょう。
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