痛風は、激しい痛みを伴う関節炎を引き起こすだけではありません。
様々な合併症も引き起こします。
痛風の合併症の主たるものは、痛風結石です。
痛風結石というと、聞き慣れないかもしれませんが、
尿路結石や膀胱結石というと聞いたことがある人が多いと思います。
痛風結石とは、痛風の合併症として起こった尿路結石や膀胱結石のことです。
痛風患者には、なぜ尿路結石や膀胱結石が多いのでしょう?
これは、痛風の原因を考えみればすぐにわかります。
痛風は、体内の過剰な尿酸が結晶化し、
それが関節に沈着して関節炎を引き起こす病気です。
尿酸が結晶化したものは、関節以外にも腎臓に沈着して、
少しずつ大きくなって結石となるのです。
この痛風結石は、結石の大きさによって自覚症状の有無が決まります。
小さな結石の場合、自然に尿と一緒に排出されますので、自分でも
気がつかないうちに痛風結石を患い、完治していたということもあります。
しかし、大きな結石ができてしまった場合、
腎臓と膀胱をつなぐ尿管にひっかかり激痛に苦しむことになります。
自覚症状がある痛風結石の場合、鎮痛剤を使った痛みを緩和する治療共に、
結石を体外へ排出させる治療を行います。
痛風結石を体外へ排出させるには、主に3種類の治療法があります。
1つ目は、自然排出を促す方法です。
これは、結石が5mm以下の場合に適用になります。
大量の水を飲んだり点滴をすることで、尿量を増やし、
自然に尿と一緒に排出されるようにします。
また、排石剤や尿をアルカリ化させる薬剤を投与することもあります。
2つ目が、体外衝撃波結石粉砕術です。
痛風結石が5mm以上の場合、細い尿管や尿道を通過できないため、
体外から衝撃波を与えて、結石を粉砕します。
体外衝撃波結石粉砕術と言う名前を聞くと、少し恐ろしい感じもしますが、
実際は部分麻酔を用いて行いますので、痛みはあまりありません。
3つ目が、内視鏡手術です。
体外衝撃波結石粉砕術が広まってきてからは、その件数自体は
減ってきていますが、体外衝撃波結石粉砕術を行っても結石が小さくならない、
結石が大きくて治療が困難という場合に適用されています。
以上が、痛風結石の治療法ですが、
痛風結石の怖いところは再発率が50%以上と高い所にあります。
結石が体外へと排出されたからといって安心してはいけません。
結石が体内で作られないように、尿酸値を下げる治療をする必要があります。
尿酸値を下げれば、痛風結石もできませんし、痛風自体も改善
されますので、尿酸値を下げ、それを維持する治療をすぐに始めましょう。
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