風が吹いても痛いほどの激痛が走る痛風ですが、
実際にかかってしまった場合にはどの診療科を受診すれば良いのか
分からないケースが多いという話しを良く耳にします。
これには二通りあり、健康診断等で血液検査のデータ上、
尿酸値が平均よりも高い場合には最初から一般内科や代謝内科を受診する事になりますが、
いきなり強い痛みを覚えて関節が腫れてしまったいるような場合(痛風発作時)には
一旦整形外科を受診するのが一般的です。
何故整形外科かというと、関節や骨に炎症を起こしている場合、
痛風発作以外にも骨折やねん挫、脱臼なども考えられるからです。
痛風発作は骨や関節に症状が出るので、
見た目ですぐに分かる症状が出てしまっている場合には整形外科を受診して、
先ずはレントゲンで怪我と痛風発作との識別診断が必要となるのです。
痛風発作の痛みに対する薬は整形外科から処方されますが、
症状が落ち着くタイミングで、代謝内科に転科するのがその後の流れとなります。
痛風発作は一過性ですが、その前段階である高尿酸血症は
慢性的な代謝性疾患ですので内科での継続的な治療が必要となります。
整形外科受診時、つまり痛風発作前後では炎症像や白血球数の上昇も見られるため、
感染症との識別も重要となります。
発作が治まった段階で、消炎鎮痛剤の投与をやめ、尿酸を溶かす作用がある
内服薬(ザイロリックやアロシトールなど)のみの処方に切り替わります。
更に高尿酸血症のフォローアップ中は糖尿病や動脈硬化症、
腎機能なども合わせてチェックし、
合併症のサインを見逃さない事もとても大切なことになります。
痛風発作の強烈な痛みに対しては強い成分を含んだ痛み止めが処方されますが、
痛み止めは消化器への負担が大きいため、
薬剤性胃炎や薬剤性胃潰瘍を防ぐために胃薬も同時に処方されます。
それでも薬剤性胃炎や薬剤性胃潰瘍を発症した場合には、
高尿酸血症の治療と平行して消化器症状の治療も行なわれる事になりますが、
こちらは改めて消化器内科を受診するような事は稀で、
代謝内科の方でフォローするのが一般的です。
→ 痛風とはどんな病気?
→ 痛風の検査と診断
→ 痛風発作時の対処法