痛風の治療は、3つの目的に分けることができます。
1つ目が「痛風発作を防ぐために、尿酸値をコントロールすること」
2つ目が「尿酸結晶の沈着化に伴った腎障害や尿路結石などの合併症を
未然に防ぐこと」
3つ目が「高血圧や高脂血症、糖尿病、メタボリックシンドロームなど
生活習慣病の併発を予防すること」です。
3つ目の生活習慣病は、痛風に関係ないと思うかもしれませんが、
痛風も生活習慣との関わりが非常に大きく、
痛風を治療せずに放置しておくと、生活習慣病を併発する人が多いのです。
また生活習慣病は、虚血性心疾患や脳卒中など生命の危機に直結する病気を
誘発しますので、痛風患者の生活習慣病予防は、非常に重要と言えます。
痛風の治療の目的は3つありますが、基本的には
「尿酸値を下げて、正常値に戻し、それを維持する」ことができれば、
3つの目的はほどんど達成できます。
尿酸値の一般的な基準値は、
男性が3.0〜7.0mg/dl、女性は2.5〜6.5mg/dlで、7.0mg/dlを超えると異常、
つまり高尿酸血症と診断されます。
痛風の治療を進めていく上での目標は、6.0mg/dl前後です。
具体的な治療方法としては、薬剤を用いた治療と生活習慣の改善への指導があります。
薬剤を用いた治療は、主に尿酸値が8.0mg/dlを超えている患者さんが適用となります。
尿酸値を急激に下げてしまうと、痛風発作を誘発してしまう危険があるため、
最初は少量の服用から始めます。3ヶ月から6ヶ月の期間で、
徐々に尿酸値を正常値に近づけていくのです。
生活習慣の改善も、尿酸値を下げる上で必要なことです。
上記の薬剤を用いての治療と併用されたり、
軽度の高尿酸血症の場合は生活習慣の改善が主な治療になります。
生活習慣の改善の中でも、最も重要なことは食生活の見直しです。
高カロリーな食品に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸へと変化します。
ビールやレバー、エビ、カツオ、白子などプリン体を多く含む食品の摂取を控えて、
プリン体の少ない野菜や海藻類を積極的に食べるようにする必要があります。
薬剤での治療と生活習慣の改善で、尿酸値が正常値に戻ったとしても、
重要なのはそれを維持することです。
一度正常値に戻ったからといって、安心して、以前の食生活に戻ってしまっては、
再び尿酸値は上昇します。痛風の治療は、気長にのんびり構えて行うようにしましょう。
→ 痛風の治療に用いる薬
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