痛風は、体内で尿酸が蓄積され、
血液中に溶けきれなくなった尿酸が結晶化し、
それが関節やその周囲に沈着して、関節炎を引き起こす病気です。
痛風の原因物質として知られているプリン体は、
体内で代謝されると尿酸へと変化します。
そのため、プリン体が多く含まれている食品をたくさん食べると、
体内で尿酸が増えてしまうので、
痛風の治療には食事療法が欠かせないんですね。
プリン体が多く含まれている食品は、
レバー類、エビ、カツオ、スルメイカ、白子、あん肝などです。
100gに含まれる具体的な量は、
鶏レバーが312.2mg、大正エビが273.2mg、カツオが211.4mgです。
確かにプリン体が多い食品は、痛風に悪い食べ物と言えますが、
痛風に悪い食べ物の代表格といって一番最初にイメージするものは、
ビールではないでしょうか?
「ビールこそ痛風の大敵!」と思っている人も多いと思います。
これは、間違いではありません。
毎日ビールの大瓶1本飲む人とビールを飲む習慣のない人では、
痛風のリスクは2倍の差があるというデータもあるんです。
気になるのがビールにプリン体がどの程度含まれているかだと思います。
ビールの種類によっても変わってきますが、
大体100mlあたり5〜7mgのプリン体が含まれています。
これは、上記の鶏レバーや大正エビなどと比べると、かなり少ないですよね。
プリン体は少ないのに、ビールが痛風の大敵と言われるのはなぜでしょう。
まずは、その摂取量です。
レバーやエビを毎日継続的に100g食べる人は少ないですが、
ビールを毎日500ml以上飲む人は結構多いですよね。
たとえ100mlあたりのプリン体の含有量が少なくても、
毎日継続して多量に摂取するば、身体に良いはずがありません。
また、尿酸を体外に排出する作用が肝臓や腎臓にありますが、
ビールを毎日多量に飲んでいると、これらの内臓が疲弊し、
尿酸の排出機能が低下します。
つまり、ビールを毎日多量に飲むと、ビールに含まれるプリン体が
体内で尿酸に変わり、どんどん蓄積されていくのと同時に、
尿酸の排出が抑制されて、さらに蓄積されていくんです。
確かにビールは痛風に良くありません。
でも、ビール自体ではなくビールの飲みすぎが痛風の大敵なんですね。
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