通常のウイルスは感染したら宿主の細胞膜と同化してウイルス自身を保護しています。
これをエンペローブと言いますが、ノロウイルスの場合このエンペローブを持たないのが特徴です。
エンペローブはアルコールや熱によって破壊されるため、アルコール消毒や加熱消毒が効果的なのですが、エンペローブを持たないノロウイルスはこれらの消毒法に対する耐性が強いということが分かっています。
したがって、効果的な予防法はとにかく手を良く洗い、うがいを行って物理的にウイルスを体内から追い出すということになります。
ノロウイルスは口から侵入してきて腸に感染します。
感染経路としては、感染者本人あるいは看護をしている人が感染者から排泄された便や嘔吐物に触れ、十分に後処理をしないうちに調理したり食事することで感染が広がるということが疑われるため、食事の前や排便後は、石けんを使って手指(爪の間も忘れずに)から肘の前ぐらいまでをくまなく洗浄して良くすすいで下さい。
また、帰宅後は手洗いとうがいを習慣付け、ノロウイルスの付着を徹底的に予防します。
さらには、家族間でのタオルの共用は避ける、下痢や嘔吐がある人は調理をしない、などの配慮も必要です。
熱に強いノロウイルスですが、長時間加熱することで感染力を弱めることが出来るということも判明しています。
したがって食材は85℃以上の高温で1分以上加熱するようにして下さい。
そして、便や嘔吐物に触るときは必ずビニール手袋をした上で処理し、使用したビニール手袋などを廃棄する時には、市販の塩素系消毒薬(漂白剤など)を薄めたものを使って十分消毒した後に、厳重に包んだうえで廃棄するようにしましょう。
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