マイコプラズマは細菌よりも小さく、ウイルスよりも大きい微生物で、細菌ともウイルスとも違う特性を持っています。
マイコプラズマに感染すると起こる病気として最もよく知られるのがマイコプラズマ肺炎で、この病気は小学生以上の子供に多いとされる疾患です。
以前はマクロライド系抗生剤がマイコプラズマ肺炎の治療薬として使用されていましたが、最近ではこの抗生剤に耐性のあるマイコプラズマが誕生したことで、マクロライド系抗生剤が効かないマイコプラズマ肺炎が増えてきたので注意が必要です。
マイコプラズマの主な感染場所は気道で、感染後1?3週間の潜伏期間を経て発症します。
患者数は8歳から9歳がピークで、乳幼児の場合には発症しても風邪程度の症状で済みますが、児童の場合には肺炎へと移行するケースが多いため、マイコプラズマ肺炎と呼ばれています。
冒頭ではマイコプラズマがウイルスでも細菌でも無い特性を持つと説明しましたが、ウイルスには無い特性として、ウイルスが人の細胞から栄養を得ながら生き続けるのに対し、マイコプラズマは栄養があれば人の細胞以外の場所でも生きていくことが出来きます。
また細菌とは違う特性というのが、通常の細菌が持つタンパク質の保護膜が無く、この保護膜を壊して細菌を死滅させるペニシリンやセフェム系の抗生剤が全く効かないという点にあります。
気道に感染したマイコプラズマが発症すると、上気道から肺にかけての呼吸器全般に症状が出ます。
肺炎にまで症状が進むと、40度近い高熱に意識障害なども引き起こし、場合によっては命に関わる危険性のある怖い病気ですから注意が必要です。
特に小児ぜんそくを持っている子供がマイコプラズマに感染すると、かなりの高確率でぜんそく発作を引き起こしてしまいますが、ぜんそく発作を抑制するための気管支拡張剤として使われるテオフィリンにはマイコプラズマに有効とされる抗生剤との相互作用が確認されているため、使用する場合には細心の注意が必要です。
薬の相互作用とは、成分同士が反応して、その薬の効き目や副作用を強めたり、打ち消し合ったりする作用のことです。
→ マイコプラズマの症状
→ マイコプラズマの検査と診断
→ マイコプラズマの出席停止期間と伝染
→ マイコプラズマの子供と大人の注意点