EBウイルス、ちょっと聞き慣れない名前ですが、1964年にこのウイルスを発見したエプスタイン博士とバール博士の頭文字を取って名付けられました。
日本では乳幼児期の感染が非常に多いのですが、元々日本人はこのウイルスに対する抗体の保有率が、全人口に対して8割と非常に高く、乳幼児期に感染してもごく短期間の微熱が出る程度で治癒してしまいます。
このウイルスは、主に唾液を介して人から人へと感染していくためキス病とも呼ばれています。
EBウイルス感染症に関しては後ほどもう少し詳しく説明しますが、このウイルスは人の免疫細胞の一つであるB細胞に感染して、核を作り替えて違う細胞へと変容させてしまいます。
そのため、抗体の働きが弱い人や抗体を持たない人の場合には、慢性活動性EBウイルス感染症(伝染性単核球症)として発病するケースが多くなります。
この病気に感染してしまうと、悪性リンパ腫や慢性疲労症、蚊アレルギーなどを始めとして様々な合併症を併発します。
潜伏期間は比較的長く、感染から4〜6週間で発病するとされています。
慢性活動性EBウイルス感染症の慢性とはゆっくり長期に渡って発病が持続している状態、活動性とは進行していて治りにくいという意味です。
抗体の働きが弱い人は、初期感染から慢性的な症状がずっと継続するケースと、乳幼児期に感染しても具体的な症状があらわれるのが思春期以降になるというように、長期間に及ぶ潜伏期間を経て発病するケースもあります。
稀に大人になってから感染、発症する人もいます。
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