EBウイルスは人の免疫細胞の一つであるB細胞に感染し、核を別なものに作り替えてしまい、働きの違う細胞にしてしまいます。
このためB細胞の働きが次第に低下し、様々な病気を合併してしまいます。
EBウイルス感染症の主な症状としては、発熱が続く、リンパ節が腫れる、激しい喉の痛みが起こる、上腹部(肝臓、脾臓)がパンパンに腫れてしまう、などがあります。
ただし、日本人の約8割の人は生まれつきEBウイルスに対する抗体を持っていて、乳幼児期に感染しても重い症状が出ないまま自然消滅していきます。
中には思春期以降に発病する慢性活動性EBウイルス感染症(伝染性単核球症)にかかる人もいます。
しかし、この病気で本当に怖いのは合併症です。
EBウイルス感染症が免疫細胞を働きの違う細胞へと作り替えてしまう病気なので、本来B細胞が正常に働いている場合にはかからないような病気にかかってしまう上に、免疫系がダメージを受けているため治りにくいという厄介な面があります。
そして慢性活動性EBウイルス感染症(伝染性単核球症)の影響を最も受けやすいのが肝臓です。
肝臓とは体内の化学工場とも呼ばれる様々な働きをしている重要な臓器で、主な働きとしては、解毒、アミノ酸の合成、脂肪酸の分解と再合成、ホルモンの産出などがあります。
このため肝機能に障害が出ると、解毒が上手く行かなくなったりホルモンの産出量が不足するなどして、体中の至る所に障害を生じるようになります。
また肝臓そのものも機能を停止していき、肝不全や肝硬変に移行するケースが多くなります。
EBウイルスに感染すると、悪性リンパ腫を合併しやすいことも知られています。
リンパ節は免疫機能にとって重要な器官ですので、慢性活動性EBウイルス感染症にかかった場合には、慎重な治療が必要になってきます。
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