EBウイルス感染症に対する特効薬は、残念ながら今の所開発されていません。
発現している症状を抑える対症療法と、合併症を予防する治療がメインとなります。
この時、複合感染を防ぐ目的で抗生剤や抗菌剤が投与されることがありますが、ペニシリン系の抗菌剤は発疹が出るため禁忌とされています。
このように現状では慢性活動性EBウイルス感染症を発症した場合の治療は困難ですが、日本人の約8割の人はこのウイルスに対する抗体を生まれつき持っているといわれています。
したがって乳幼児期に感染しても、感染初期に熱が出る程度でその後自然と治癒していき、感染そのものにも気がつかないケースが多いのです。
現在健康診断で行う血液検査では、EBウイルス関連の抗体を調べる検査が含まれています。
この時検査結果でEBウイルス関連抗体反応が陰性の人は感染の可能性が高いということになりますので、キスや飲み物の回し飲みなどを出来るだけ避け、生活習慣を改善して、免疫力を弱めないようにしてウイルスに負けない体作りをするなど予防に努める必要があります。
EBウイルス感染症の初期症状は風邪と良く似ているため、風邪気味の場合は無理をせずに、病院で診察を受けるようにしましょう。
一旦症状が治まれば抗体が作られたということになり、予後は良くなりますが、いつまでも症状が改善しない場合は、慢性活動性EBウイルス感染症が疑われますので、医師の指示に従って慎重に治療を進めるようにしましょう。
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