サイトメガロウイルスは世界中のあらゆる場所に存在しているありふれたウイルスです。
日本でも大人になるまでに80%以上の人が感染すると言われています。
ただし、子供が感染しても微熱が上がったり、リンパ節が腫れるなどの軽微な症状が出た後、自然と症状が消失していくため、殆どのケースではサイトメガロウイルス感染に気づかずに過ごしてしまうことが多いとされています。
したがって、日本人の多くの人は既にサイトメガロウイルス抗体を持っています。
抗体が出来て一定時間が経過していれば再感染についてのリスクは低くなりますが、サイトメガロウイルスには複数の型があり、またこのウイルスは免疫回避機能を持っているので、違う型のサイトメガロウイルスウイルスへの感染や、無症状患者から非感染者への感染は常に起こり得ると考えましょう。
サイトメガロウイルスの感染経路は日常生活の中に潜んでいます。
感染者が手にしたものに触れる、キスをする、こうしたちょっとしたことでも感染する可能性があるので、帰宅したらうがいや手洗いを行うなどの予防が必要です。
特に妊婦がサイトメガロウイルスに初感染した場合、胎児へも感染する可能性が高く、出産後5年以内に進行性の難聴が発症するなどの障害を持って生まれるリスクが高まります。
また大人になってからかかるサイトメガロウイルスが重症化した場合に最も気をつけなければならないのがサイトメガロウイルス性肺炎だと言われています。
この病気に関しては次章でもう少し詳しく説明することとしましょう。
→ サイトメガロウイルスの潜伏期間
→ サイトメガロウイルスの症状
→ サイトメガロウイルスの検査と診断
→ サイトメガロウイルス 肺炎に注意