アデノウイルスという名前をご存知ですか?
インフルエンザウイルスは非常に有名なウイルスですが、インフルエンザに次いで人の体内から検出される頻度が高いのがアデノウイルスだと言われています。
アデノウイルスもインフルエンザウイルス同様、風邪と良く似た症状を呈することが多いのですが、インフルエンザウイルスと最も違う点は、寄生する宿主から合成するタンパク質膜(エンペローブ)を持たず、アルコールでは消毒しきれないという特徴を持つウイルスだということです。
また、一年を通じて感染する可能性の高いウイルスで、症状は呼吸器系の症状だけでなく、眼症状、消化器症状など多岐に渡り、それぞれの症状によってアデノウイルスの型が違います。
この前の章で紹介したノロウイルスもエンペローブを持たず、複数の型を持つ構造という点で良く似ていますが、ノロウイルスが主に消化器症状に集中するのに対し、アデノウイルスは遺伝子型によって特徴的な症状を見せるという所が異なります。
また、アデノウイルスの潜伏期間は感染してから5日〜7日程度とノロウイルスの1日〜2日と比べると長期間感染状態が続くことになります。
アデノウイルスの感染経路は、便などの排泄物に触ることの他にも感染者との直接接触や飛沫感染などもあり、感染力の高いウイルスであるといえます。
したがって潜伏期間中に自分の感染に気が付かず、知らないうちに感染を広めてしまう可能性のある厄介なウイルスなのです。
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