マイコプラズマに感染して発症する疾患の中で、一番高頻度で現れる症状が呼吸器症状です。
これはマイコプラズマの主な感染先が気道だからなのですが、発症する呼吸器症状としては喉の痛み、鼻水、鼻づまり、発熱、痰の絡む乾いた咳、小児ぜんそくがある場合には喘鳴音(ゼェゼェ、ゴロゴロ、ヒューヒューという呼吸音)、呼吸困難などの症状が起こります。
また8?9歳の子供の場合、肺炎症状を引き起こすこともあり、マイコプラズマが原因で起こる肺炎様の症状をマイコプラズマ肺炎と呼んでいます。
マイコプラズマ肺炎になると40度近い高熱、呼吸困難、意識障害などを引き起こし、場合によっては命に関わる場合もある重大な疾患です。
マイコプラズマが引き起こす症状には呼吸器症状以外にも2%前後の確率で脳炎や脳症、15%前後の確率で嘔吐や下痢などの消化器症状、40%以上の確率で肝機能障害、更に8%程度の確率で肝腫大、30%前後の確率で発疹や蕁麻疹などの皮膚症状などがあり、稀に心筋炎や赤血球が壊れる溶血性貧血などの症状を来す場合もあります。
これらの症状には特徴的な症状があるので、もし次のような症状が出ている場合には、呼吸器症状が出ていなくてもマイコプラズマ感染症を疑う必要性があります。
その症状とは1.黄疸、2.倦怠感や易疲労感、3.痙攣や意識障害、4.盛り上がった赤い湿疹や地図のように広がっているかゆみの強い発疹などです。
マイコプラズマは感染力が強く、一旦流行すると拡大のスピードがとても速いのが特徴的で、秋口から冬場にかけて患者数が増える傾向があります。
初期症状が風邪やアトピー性皮膚炎に似ているため、これらの疾患との区別は素人目には不可能です。
したがって風邪やアトピー性皮膚炎と思って軽んじて考え、市販の薬で済ませると、適切な治療が出来ない事態を招いてしまいますので、このようなことがないようにきちんと病院を受診して、迅速検査を受けてマイコプラズマ感染症の有無を判断してもらい、適切な治療を受けることが大切です。
特にマスコミ等でマイコプラズマ感染症に関するニュースが流れた年は、風邪かな?と思っても必ず病院を受診するようにして下さい。
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