サイトメガロウイルスに感染すると肺炎を併発することがあります。
これをサイトメガロウイルス性肺炎と言います。
この病気を発症すると、初期症状は通常の肺炎と良く似た症状が出てきます。
具体的には発熱、乾いた咳、呼吸困難(低酸素症)などです。
しかし数日症状が継続したあと急激に症状が進行し、呼吸不全を引き起こし心肺停止状態なる危険性があります。
また網膜症や肝機能障害を併発することも多く、胸部レントゲンを撮ると、両方の肺に特徴的なスリガラス上の陰影が見られるようになります。
サイトメガロウイルス性肺炎はサイトメガロウイルスが直接肺の細胞に感染した場合に発症します。
サイトメガロウイルスは潜伏感染している可能性も高いため、血液や唾液、尿からサイトメガロウイルスが検出されてもサイトメガロウイルス性肺炎の確定診断の根拠とはなりません。
この病気を確定するには、症状が出てから気管支肺胞洗浄した洗浄液や肺生検を行って採取した肺の細胞から、サイトメガロウイルスが検出される必要があります。
免疫力が弱い人はサイトメガロウイルスに感染すると一気に肺炎まで症状が進行することがあり、またこの肺炎は予後(治療後の経過)が悪いため、早期発見と早期治療が治療の要となります。
高齢者やがん患者、HIV感染症、血友病など免疫機能が低下している人は、定期的にサイトメガロウイルス感染症の検査を受け、日頃から手洗いやうがいを頻繁に行い、サイトメガロウイルス感染症の予防と早期発見に努める必要があります。
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