ロタウイルスは主に下痢と嘔吐を伴う胃腸症状を引き起こすウイルスです。
感染するのは主に乳幼児で、発症すると40人に1人の割合で重症化すると言われています。
ロタウイルスの潜伏期間は1日から2日程度(長くても72時間)で、感染初期には37℃から38℃の微熱がでる傾向があります。
しかし、この微熱はすぐに消失します。
ロタウイルスもインフルエンザやアデノウイルスのようにいくつもの型がありますが、今の所、ヒトに感染するロタウイルスとして認知されているのは5つの型で、この中でも患者数の多いのがA、B、Cという3つのウイルス群です。
そして乳幼児や子供が感染するロタウイルスの殆どが、A群に分類される型だということが分かっています。
感染が多発する季節は冬場が多く、乳幼児がかかる冬場の嘔吐下痢症の約80%がこのロタウイルス胃腸炎だという報告があります。
ロタウイルスもこれまで紹介してきた他のウイルス同様、特効薬はありません。
ただし、弱毒化させた生ワクチンを口から接種することで、重症化しないようにするワクチンは既に開発されています。
ロタウイルスワクチンにおいて重症化を防ぐというのは下痢症状を緩和し、入院治療が必要無い程度にまで症状の悪化を抑えるという意味ですので、ワクチンの接種によって、感染しないという訳ではありません。
現在、欧米や南米、オーストラリアでは乳幼児期に定期接種として受けることができますが、日本の場合は任意接種となります。
任意接種の場合、自由診療となり費用が全額自己負担となります。
ロタウイルス胃腸炎は重症化しやすいため、日本でも予防接種の義務化を希望する声が高まりを見せています。
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