体の表面に症状が出てくるヘルペス(口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹、水疱瘡、角膜ヘルペスなど)は症状が特徴的なので、問診と視認で確定診断することができます。
血液検査上でも感染すると白血球の数が増えたり、炎症反応(CRP)が出て、尿の色が濃くなり、臭いも強くなります。
これは体内で免疫系とウイルスとが戦っている証拠です。
このように体の表面に出てくるヘルペスの場合、初診時に行われる全身状態をチェックするための一般的な血液検査と、尿検査(これをスクリーニング検査と言います)以外のウイルス血清検査や抗体検査は行われることはありません。
問題なのは骨髄や肺などに感染するヘルペスウイルスです。
こちらは血清検査や抗体検査も行われますが、通常はレントゲンやCTなどの画像診断で炎症像が確認されると、直ちに二次感染を予防するための抗生剤による治療が開始されます。
サイトメガロやヘルペス脳炎に罹る患者は、新生児や高齢者、胎児、がん患者、AIDS患者など、元々免疫力がかなり低下している状態ですので、時間のかかる免疫血清検査や抗体検査の結果を待っている時間が無いというのもあります。
ヘルペス脳炎の急性期では、感染部の腫脹で脳圧が上昇し、意識消失や痙攣発作が起こりやすくなっていますので、これらの症状を抑える治療が優先されます。
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